アジャイル開発のパートナーはどう選ぶ?選定ポイントを紹介

アジャイル開発を導入する企業が増える一方で、どの開発パートナーに委託すべきか悩む中小企業の担当者も少なくありません。自社に適切なパートナーを見極めることは、プロジェクトを円滑に進める上で大切です。信頼できるパートナーと連携することで、変化に柔軟に対応できるシステム開発が期待できます。そのためには、どのような基準でパートナーを選定すべきか、事前に明確にしておくことが求められます。

本記事では、アジャイル開発のパートナーを選定する際の具体的なチェックポイントや費用の目安、依頼する際の注意点について詳しく解説します。

アジャイル開発のパートナーを選ぶときのチェックポイント

アジャイル開発のパートナーを選定する際には、いくつかの大切な確認事項があります。これらのポイントを事前に押さえておくことで、プロジェクトの方針に合った信頼できる企業を見つけやすくなります。

開発実績

まず、パートナー候補となる企業が、アジャイル開発手法を用いたプロジェクトをどの程度手がけてきたかを確認します。具体的な事例や、どのような規模・業種の開発経験があるのかを尋ねることが大切です。

また、自社が目指すシステムやサービスに近い実績があれば、よりスムーズな開発が期待できます。過去の実績は、その企業の技術力やプロジェクト遂行能力を判断する上での重要な指標です。可能であれば、開発したシステムのデモンストレーションを見せてもらうのも良いでしょう。

対応分野

企業によって得意とする開発分野や業界は異なります。自社の事業ドメインや、開発を予定しているシステムの特性を考慮し、その分野での知見や経験が豊富なパートナーを選びましょう。

例えば、金融システムであればセキュリティ要件への理解が求められ、ECサイトであれば大規模トラフィック処理のノウハウが重要です。特定の業務知識を持つパートナーであれば、業界特有の課題やニーズを的確に把握し、より価値の高い提案をしてくれる可能性があります。対応可能な技術領域だけでなく、業務への理解度も確認することが望ましいです。

エンジニアのスキル

プロジェクトに加わるエンジニアの技術的なスキルセットや経験年数を確認することは不可欠です。保有している資格や習熟しているプログラミング言語、フレームワーク、データベースの種類などを具体的に把握しましょう。アジャイル開発では、仕様変更に柔軟に対応できる幅広い技術知識や問題解決能力も求められます。

また、チーム全体の技術力を底上げできるようなリーダーシップのあるエンジニアがいるかも注目点です。エンジニアの質が開発されるシステムの品質に直結するため、慎重な見極めが必要です。

コミュニケーション能力

アジャイル開発では、発注者と開発者が密に連携を取りながらプロジェクトを進めるため、円滑なコミュニケーションが不可欠です。パートナー候補の企業が、どのような体制で情報共有や意思決定を行うのかを確認しましょう。定例会議の頻度や報告の形式、使用するコミュニケーションツールなどを具体的に聞いておくのがおすすめです。

また、こちらの要望や質問に対して、迅速かつ的確に回答してくれるかどうかも重要な判断材料となります。専門的な内容を分かりやすく説明してくれるか、といった点も確認するのが大切です。

保守・運用の対応力

システム開発はリリースして終わりではなく、その後の安定稼働を支える保守・運用が非常に重要です。パートナー候補が、リリース後のバグ修正や機能改善、サーバー監視といった運用保守サービスをどの範囲まで提供しているかを確認しましょう。

また、トラブル発生時の対応体制やSLA(サービス品質保証)の内容も事前に明確にしておく必要があります。将来的な機能拡張やシステム改修にも柔軟に対応できるのか、長期的な視点でサポート体制を評価することが大切です。継続的なビジネス成長のためには、信頼できる保守・運用体制が欠かせません。

コスト

開発にかかる費用は、パートナー選定における重要な要素の一つです。見積もりの内訳が明確で、費用の算出根拠が合理的であるかを確認しましょう。アジャイル開発では、イテレーションごとに追加費用が発生する可能性も考慮に入れる必要があります。

また、初期開発費用だけでなく、リリース後の保守・運用にかかるランニングコストも把握しておくことが大切です。単に安価なだけでなく、提供される品質やサポート内容とのバランスを総合的に考慮して判断しましょう。

アジャイル開発をパートナーに依頼するときの費用は?

アジャイル開発を外部パートナーに依頼する場合の費用は多くの要因で変動します。プロジェクトの規模や期間、要求される機能の複雑さ、エンジニアのスキルレベルなどが影響します。

一般的に、小規模なプロジェクトであれば数十万円から数百万円、中規模から大規模になると数千万円以上に及ぶこともあります。費用に影響する主な要素としては、開発チームの人数、開発期間、必要な技術の専門性などが挙げられます。また、契約形態によっても費用の算出方法が異なるため、事前に確認が必要です。具体的な費用を知るためには、複数のパートナー候補に見積もりを依頼し、詳細な要件を伝えた上で比較検討することが重要です。予算と必要な機能のバランスを考慮し、より良いパートナーを選びましょう。

アジャイル開発をパートナーに依頼するときの注意点

アジャイル開発を外部パートナーへ依頼する際には、いくつか意識しておきたいポイントがあります。これらの注意点を事前に理解しておくことで、よりスムーズなプロジェクト進行と期待する成果の実現につなげられます。

相見積もりを取って比較する

複数のパートナー候補から見積もりを取得し、比較検討することは重要です。これにより、開発費用の適正な水準を把握できるだけでなく、各社の提案内容や得意分野の違いも明確になります。

それぞれの企業がどのような開発体制や技術を提案してくるのかを比較することで、自社のプロジェクトにより適したパートナーを見極める手助けとなるでしょう。また、見積もりの内訳や前提条件を詳細に確認することで、後々の認識齟齬や追加費用の発生リスクを低減できます。手間はかかりますが、適切なパートナー選定のためには欠かせないプロセスです。

契約方式に注意する

アジャイル開発を外部へ委託する際の契約方式には注意が必要です。多くの場合、仕様変更に柔軟に対応しやすい「準委任契約」が採用されます。

この契約では、開発パートナーは善良な管理者の注意をもって業務を遂行する義務(善管注意義務)を負いますが、請負契約とは異なり、必ずしも成果物の完成を保証するものではありません。そのため、作業範囲や責任範囲、知的財産権の帰属などを契約書で明確に定めておくことが重要です。契約内容を十分に理解し、双方の認識に齟齬がないように進めましょう。

アジャイル開発が適していないケースもある

アジャイル開発は多くのメリットを持つ開発手法ですが、全てのプロジェクトに適しているわけではありません。例えば、初期段階で要件が完全に確定しており、将来的な仕様変更の可能性が極めて低い大規模なシステム開発では、ウォーターフォール型開発の方が適している場合があります。

また、厳格な予算や納期が定められており、スコープの変更が許容されないプロジェクトもアジャイル開発には向きません。発注者側が開発プロセスに積極的に関与し、迅速なフィードバックを提供できない場合も、アジャイル開発の利点を活かしにくいです。自社のプロジェクトの特性や状況を考慮し、適切な開発手法を選択することが重要です。

アジャイル開発に強いパートナーへ依頼しよう!

アジャイル開発のパートナーを選定する際は、開発実績や対応分野、エンジニアのスキル、コミュニケーション能力などを比較検討します。そしてコストも総合的に考慮することが大切です。また、契約方式の確認や、そもそもアジャイル開発がプロジェクトに適しているかを見極めることも大切なポイントです。信頼できるパートナーを見つけることで、変化に強い柔軟なシステム開発が実現できます。

株式会社SPは、企画から開発、運用保守まで一気通貫でサポートし、お客様のビジネス成長を支援する開発パートナーです。アジャイル開発をはじめとする柔軟な開発スタイルと、医療やEC、HR分野などでの豊富な実績が強みです。お客様とのコミュニケーションを重視し、課題解決に向けて伴走いたしますので、アジャイル開発のパートナーをお探しの際は、ぜひ一度ご相談ください。